職場から次回のサービス管理責任者の研修を受けろと言われたんだけど、サービス管理責任者って何をすればいいの?
施設の見学に行くとサービス管理責任者の〇〇ですと施設のスタッフが紹介されていたんだけどサービス管理責任者って何?
こんなふうに思われている方も少なくないんじゃないかなと思います。
この記事では
- サービス管理責任者って何者なのか?
- サービス管理責任者の役割
- サービス管理責任者の業務内容
についてお伝えします。
Contents
サービス管理責任者って何者?
サービス管理責任者は一定の実務経験や国家資格等を持ち、サービス管理責任者になるための研修を受け、障害福祉サービスを提供している事業所においてサービス管理責任者として配置されている者です。
法令による配置基準でサービス管理責任者を配置しなければいけないところには必ずサービス管理責任者がいます。
どうしたらサービス管理責任者になれるのか?その要件等は
⬇をご確認ください。

サービス管理責任者の役割
サービス管理責任者とはその名の通り、サービスの管理について責任を負っているスタッフのことです。
- 個別支援計画書の提示
- 関係機関との連絡調整
- サービス担当者会議の出席(他機関との会議)
- ケース会議の進行
- 直接支援にあたるスタッフの育成・指導
など障害福祉サービスの質を保つ、もしくは向上させていくための仕事を担っているわけです。
サービス管理責任者は相談支援専門員と比較して、よく「注文住宅を建てる時」で例えられます。
と突然言われてもピンとこないと思うので、実際に注文住宅を建てるまでを順番に見ていきましょう!



現場ではおそらく様々なトラブルが起こります。建築計画(=サービス等利用計画書)通りにはいかないことも多々あるでしょう。
現場でスムーズに仕事が進むように建築計画に沿った形で現場監督(=サービス管理責任者)は施工計画書(=個別支援計画書)を作成します。
さらに、現場の状況と建築計画(=サービス等利用計画書)、施工計画(=個別支援計画書)を見比べながら軌道修正・建築士(=相談支援専門員)との連携をしていくことも現場監督(=サービス管理責任者)の役割です。

大工さん(=生活支援員)
現場監督(=サービス管理責任者)
が協力して
若い夫婦(=利用者)の理想の家(=ニーズ)を建てました!

実際には簡単にめでたしめでたしにはなりませんが、サービス管理責任者と関係者との関係・宅割などがおわかり頂けたでしょうか?
私自信は建築に関してはド素人なので、建築のプロからすると違うよ!間違っているよ!と言われるかもしれませんが、あくまでサービス管理責任者の立ち位置やその他関係者との関係を表現するためのものです。
さておさらいです。
まず利用者から相談支援専門員が相談を受け、サービス等利用計画書を作成します。
相談支援専門を通して福祉サービスの利用をすることになった利用者は、サービス管理責任者と相談をして、個別支援計画書を作成します。
それを元に生活支援員が直接の支援を行っていきます。
サービス管理責任者の業務内容
①個別支援計画の作成に関する業務
②利用者に対するアセスメント
③利用者との面接
④個別支援計画作成に係る会議の運営
⑤利用者・家族に対する個別支援計画の説明と交付
⑥個別支援計画の実施状況の把握(モニタリング)
⑦定期的なモニタリング結果の記録
⑧個別支援計画の変更(修正)
⑨支援内容に関連する関係機関との連絡調整
⑩サービス提供職員に対する技術的な指導と助言
⑪自立した日常生活が可能と認められる利用者への必要な援助障害者総合支援法に基づく指定障害福祉サービス事業者の人員、設備及び運営に関する基準 (平成18年9月29日年厚生労働省令第171号)抜粋
そうなんですよね。サービス管理責任者は忙しい。
さて、上記内容を実際の場面を想定しながら順番に見ていきましょう。

インテーク・アセスメント
Aさんは就労移行支援事業所の利用を検討しており、B事業所を訪れました。
そこではCサービス管理責任者(以下Cサビ管)が対応をしてくれました。
初回の面談では基本情報等の聞き取りが行われました。
AさんはB事業所を利用することとなり、利用契約後に再度Cサビ管と面談(アセスメント)を行いました。
個別支援計画書の作成
Aさんの事業所での様子やインテーク・アセスメントで得た情報を元にCサビ管は個別支援計画書を作成しました。
ケース会議の実施
B事業所のAさんに関わってくれている生活支援員とスケジュール調整をし、ケース会議を実施しました。
ケース会議ではCサビ管の作成した個別支援計画書の内容について、さらに議論を重ね、個別支援計画書をさらに良いものへとしていきます。
必ず会議を実施し、Aさんに関わってくれている生活支援員の意見を聞きましょう。
個別支援計画書の提示
ケース会議を経て完成した個別支援計画書をAさんに説明・提示しました。
Aさんも個別支援計画書の内容に納得し、個別支援計画書にサインをしました。
またもし、Aさんが納得できない箇所があった際には個別支援計画書さらに作り直しになります。Aさんや生活支援員と議論を重ねながら納得できる個別支援計画書を作成しましょう。
モニタリングの実施
AさんはB事業所を利用し始めて2ヶ月が経過しました。
個別支援計画書で設定をしていたモニタリングの時期になったため、Cサビ管はモニタリング面談を実施しました。
モニタリングの結果、個別支援計画書を作り直す必要性が出てきたため、Cサビ管は再びアセスメント・個別支援計画書の作成に入りました。
サービス管理責任者がしっかりとこのサイクルを回していくことで途切れのない支援は実施されます。
サービス担当者会議
Aさんのサービス等利用計画書を作成しているD相談支援専門員から連絡があり、関係者を集め、サービス担当者会議を開催することになり、Cサビ管がサービス担当者会議に出席しました。
サービス担当者会議ではD相談支援専門員の他にAさんと関わるE事業所、F事業所のサビ管や行政職員も参加していました。
サービス担当者会議には基本的にサービス管理責任者が出席します。
サービス担当者会議だけではなく、幅広く他機関と連絡調整する役割が求められています。
マネジメント
Aさんに対する生活支援員の支援が、個別支援計画書の内容とは逸れていたため、Cサビ管は生活支援員と話をすることになりました。
個別支援計画書の内容を再度伝え、支援の軌道修正を図りました。
法律には指導と助言としか書いていませんが、生活支援員が支援を行いやすく、また働きやすい環境を作るため、幅広くマネジメントを展開していく必要があります。
マネジメントに関してはP・F・ドラッカーの本を一度は読んでみてください。
直接支援
もちろんサービス管理責任者も生活支援員同様に直接の支援に入ることがあります。
というか入っていかなければ見えないものがたくさんあります。
忙しいのは確かなんですけどね、出来る限り現場で利用者と関わってください。
まとめ
様々な例や実際の場面を想定し、お伝えしてきました。
サービス管理責任者について何となくイメージはつかめたでしょうか?
障害福祉サービスの利用を検討されている方、またはすでに利用している方としては
サービス管理責任者は
提供されているサービスの責任者
であるということだけでも覚えておいてもらえたらOKです。
障害福祉サービスは利用されてなんぼです。
わからないこと、納得できないことなどガンガンサービス管理責任者に相談してください!
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お仕事のご依頼を受け付けております。