社会福祉士合格したよー!
でも資格取得はまだスタートラインに立ったところだからね。
ステップアップとして認定社会福祉士もあるしね。
社会福祉士を取得して、社会福祉士会に入会すると、認定社会福祉士というものがあることを知ると思います。
認定社会福祉士については日本社会福祉士会のページにも書いてるのですが、わかりづらい面もありますので、この記事で解説をしています。
また、メリットもわかりづらいですので、そのあたりも他の専門職の資格と比較しながら解説しています。
Contents
認定社会福祉士って何?
社会福祉士の資格は、国家試験に合格し、登録を行うことによって付与されます。しかし、資格の取得はあくまでも専門職で実践を行うための“スタートライン”であり、試験の合格が実践力を証明しているわけではありません。
そこで、高度な知識と卓越した技術を用いて、個別支援や他職種との連携、地域福祉の増進を行う能力を有する社会福祉士のキャリアアップを支援する仕組みとして、実践力を認定する「認定制度」を制定することになりました。
認定社会福祉士制度では、「認定社会福祉士」及び「認定上級社会福祉士」の2種類を位置づけました。
日本社会福祉士会 認定社会福祉士認定・認証機構より抜粋
さらにその上に認定上級社会福祉士?もあるんですね。
さらにキャリアアップが目指せる形になってるわけです。
認定社会福祉士になるには?
認定社会福祉士になるためにはいくつかのルートが用意されていますが、この記事では一番基本的なルートである『日本社会福祉士会生涯研修ルート』について解説します。
何故この『日本社会福祉士会生涯研修ルート』に絞って解説するかと言うと、おそらくほとんどの人がこのルートで認定社会福祉士を目指すからです。
では、取得の順序を見ていきましょう。
基礎研修Ⅰ~Ⅲを受講
まず最初の難関である基礎研修をクリアしなければいけません。
基礎研修はⅠ~Ⅲまであり、それぞれ1年間かけて研修を受講します。
つまりこの段階で3年間かかります。
ほぼ毎月のように研修があり、課題やレポートの提出もあるので正直言って働きながらこれをこなすのは過酷です。
間を空けてしまうとしんどいので、この基礎研修は3年間を走り抜けてしまった方がいいのではないかと筆者は思います。
いやーほんと大変なんですよ…ほんとに。
スーパービジョンを受ける(4単位)
基礎研修を終えると認定社会福祉士を取得するための単位を取っていかなければいけません。
その中でも必須なものとしてスーパービジョンを受けることがあげられます。
基礎研修の中でも案内はありますが、スーパーバイザーとして社会福祉士会に登録している社会福祉士とスーパービジョン契約を結んで一定期間スーパーバイザーからスーパービジョンを受けます。
自分のスーパーバイザーとなるべき人は誰を選んでもいいですが、人によって金額が違います。大学の講師や教授をされている方は金額も高めだった印象です。
またもちろんバイザー側も選ぶ権利がありますし、日程が合わないということもあるでしょう。
地域にもよると思いますが、スーパービジョンを受ける際には第3希望くらいまでバイザーの希望を出したりします。
分野専門研修等(4単位)
社会福祉士会の研修の中には単位として認められる研修が存在します。
それらの研修を受講し、単位として申請すれば単位取得となります。
※4単位のうち2単位は必ず分野専門研修でなければいけません。
認定社会福祉士認定研修の受講
認定社会福祉士を認定する研修という何ともややこしい名称ですが…。
2019年度は日本社会福祉士会と日本医療社会福祉協会の共催で大阪と東京にて開催されました。
2020年度の開催はまだ未定っぽいです(※2020年8月24日現在)
この研修のおそらく最後に修了判定審査があります。
おそろしいですね~。
認定申請・認定審査
認定社会福祉士認定研修を研修受講後に認定申請を行います。
そこで認定審査が行われます。
何回認定言うんやろ…。
認定社会福祉士認定研修での修了判定審査とは別に審査が行われるそうです。
登録申請
無事審査をクリアして、最後に登録申請をすると…
あなたも認定社会福祉士!!
と言いたいところですが、このルートに沿って研修を受けていく以外にも要件が存在します。
認定社会福祉士になるための要件
上記研修を受講していること以外にも要件は4つあります。
- 社会福祉士資格を有していること
- 職能団体の正会員であること(日本社会福祉士会もしくは日本医療社会福祉協会)
- 社会福祉士資格取得後、実務経験が5年以上あること。複数の分野にまたがっている場合は認定を受けようとする分野での経験が2年以上あること。
- 上記、実務経験の期間において、別に示す実務経験「必要な経験」があること
1~3までは何となくわかると思うのですが、わかりづらいのは4ですね。
認定の申請をする際には実務経験証明書を職場に出してもらうだけではなく、実際にどういった業務をしていたのかや業務実績を具体的に記載して提出する必要があります。
しかも2000文字以上で記述する必要があります。
おそらく申請をした際の認定審査で主に見るのがこれなんだと思います。
認定社会福祉士のメリット・デメリット
さてここからは実際に認定社会福祉士を取得してどういったメリット、デメリットがあるのかを考えていきたいと思います。
おそらくメリットをあまり感じられないって思っている人が多いんじゃないかなと思います。
メリット
- キャリアアップできる
- 一定の実践力があるというお墨付きをもらえる
- 講師の依頼なんかもあるかもしれない
- 独立型社会福祉士名簿に登録ができる
デメリット
- 5年毎の更新が必要
- 登録、更新ともにお金がかかる
結局認定社会福祉士ってどうなん?
何のために認定社会福祉士を取るのかが重要です。
一番メリットとして大きいのは独立型社会福祉士の方ですね。
認定社会福祉士を取ったからといって特別な業務が出来るようになるわけでもなく実務レベルでは何も変わらないのが現状かと思います。
独立型社会福祉士ではない方は自己研鑽のためにお金や時間をかけられるかどうか…そこは天秤にかけていく必要があります。
他の資格の認定〇〇と比べてみた
他の専門職の資格においても職能団体内で社会福祉士と同じように認定〇〇を作っているところも多く存在します。
他の資格はどんな感じなのかも調査してみたので、比べてみてください。
医師
医師はそもそもがそれぞれの専門とする分野があります。
その中でも特定の技術等を認定され、認定医や専門医として業務にあたっておられる医師がたくさんあります。
医師の場合はそれを専門としている、協会や学会に認定されていると病院内に表示するだけで信頼になるため、一定の効果はあるだろうと思います。
もちろんそのために学ぶことにも大きな意味があります。
看護師
認定看護師が存在します。
認定看護師はある特定の分野において専門性が認められるという資格であるため、分野別での認定になります。
認定看護師は認知度も認定社会福祉士に比べると高いようで、給料に反映されたり、手当がついたりすることもあるようです。
しかし、認定看護師制度は2020年に大幅な変更があるようで、今後どうなっていくのかは未知数です。
参考|日本看護協会
行政書士
特定行政書士が存在します。
特定行政書士の大きな特徴は行政書士法に規定されているということです。
特定行政書士になると不服申立て続きが出来るようになります。
このあたりは業務独占資格なのか名称独占資格なのかという差が影響していそうです。
介護福祉士
認定介護福祉士が存在します。
認定介護福祉士もまだまだ認知されておらず、給料に反映されるということはあまりないようです。
しかし、今後は介護職員処遇改善加算の対象としてなり得る可能性を秘めているようで、給料に差が出てくるのであれば取得する意味はありあそうです。
まとめ
個人的には現状は認定社会福祉士を取得する意味は薄いと言わざるを得ないと感じています。
独立型社会福祉士であればメリットを少し感じられそうですが、そうでなければ給料が上がるわけでも業務が変わるわけでもなく、実際の現場では何も変わらないのが現状だと思います。
メリットとして講師としての依頼があるかも?と書きましたが、社会福祉士会で精力的に活動していれば認定社会福祉士でなくても講師の依頼はあるだろうし、またその逆も言えることです。
しかし、自己研鑽のために取得を目指すという心意気は素晴らしいことですし、すごいことです。
そのためにお金や時間をかけられる人であれば、ぜひ目指してほしいと思います。
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