取材記事

何が幸せかは自分で決めるもの グローバルウォーク|幸地 伸哉

「この豚野郎!ほんま腹立つな!」怒号が鳴り響く。

 

鍵を持ってこない成年後見人

怒る社長

笑うスタッフ

 

西宮市甲子園口の商店街近くの住宅街に位置するグローバルウォークでの1ページだ。

詳しい事情はわからないが、どうやらヘルパーが利用者宅に入れず、成年後見人に鍵を持ってきてほしいと電話でお願いしたようだ。

「わかりました!もうちょっと粘ってみます」と電話を切った直後に冒頭の「豚野郎」発言。

 

でも不思議と険悪な雰囲気ではなく、にこやかな雰囲気で取材にお邪魔して10分もしないくらいでの出来事だったので私も最初目をシロクロさせたが、他のスタッフと一緒に笑うことが出来た。

 

グローバルウォークでは様々な働き方を推奨しており、パラレルワークを実践する人たちを積極的に採用している。

その様々な働き方の一環としてSketter(スケッター)というサービスを利用し、依頼を出している。

今回はSketter(スケッター)というサービスを利用し、取材をしてくださいという依頼を出していたため、その依頼を私が受ける形でグローバルウォークの密着取材が実現した。

 

Sketter(スケッター)についてはこちらを参照してください

Sketter(スケッター)でパラレルワークしてみませんか?福祉職でもパラレルワークを実践したい!と思っている方は少なくないんじゃないかと思います。 先日私もスケッターでお仕...

 

 

アウトプットを外注化してみるという試み

黙ってやってみよう一回

 

以前は発信にも時間をしっかり割いてきたが、最近1年間はブログを更新せず、SNSもほとんどしなくなり、自ら発信をしなくなったという幸地さん。

 

自分のネームバリューを打ち出していこうと必死やったんよ。

以前は「いいね」押すのもこれは挨拶なんやと思ってやってて、それも仕事の一貫やと思っていたけど、それよりも中身が大事やなって思ってきてんな。

今日の理想を達成するため、この「いいね」を押す時間が、いやそもそもSNSを開けるという行為そのものが習慣化していることは辞めた方がいいんじゃないか。

内側に力を注いでいくことが大事だなと思い至って、集中してここ数年は自分の会社のためにやってきた。

とりあえずそれで走り出したので最後まで走ってみようかなと。

しかしアウトプットが全くないのも良くないので、 客観というフィルターを通したものを発信させる方がいいかなと。

自分はこういうことを言いたい、やっててというのと違う話題になっていった方が僕自身も考えていたことを引っ張り出してもらえる良い機会かなと。

それに取材をされることで今まで自分ではアウトプット出来なかった考えを引き出してもらえるのではないかという期待もあって今回依頼したんですよ。

 

発信していくことも大事だけど、中身が伴わないと意味はない。

やると決めたらトコトンやる。しないと決めたことはきっぱり辞める。

幸地さんの信念が垣間見えた瞬間だった。

 

 

相手のことを考える提案

よしちょっと行こか

と幸地さんに促され、一緒に事業所を出る。

一緒に商店街を歩き、銀行まで同行する。

 

別に車で行ってもいいし、銀行も自動振込でもいいんやけど、それやったら顔が見えへんやろ。

なんかすごい落ち込んでたら銀行もこの人ほんまにちゃんと借金返してくれるんやろうか?ってなるから、ちゃんとしとかなあかんなって思うし、顔が見える関係であれば相手も安心してくれるかなって思うねん。

こうやって商店街歩いてたら地域の人にも顔を知ってもらえるからな。

そうしてたら銀行の人や町の人たちも声かけやすくなるし、逆の立場やったらどう思うか?ということを常に念頭において行動してる。

そういうことを考えながら行動している人って意外に少なくて、それをうちの会社で磨いてみませんか?とも思う。

 

 

電車乗るとお腹痛くなるんだよね

起業しようと思ったきっかけは何だったんですか?

仕方なしやね。

当時働いていたところの経営者と従業員がトラブルになって、その時の経営者の対応が従業員に対して心がないなと感じていたんやけどね。

それでもグッと堪えて最初はやってたんやけど。

従業員に対しては利用者帰った後に掃除したかどうか確認せんでも済むように掃除したらイスをテーブルの上げとこかートイレ掃除終わったら便座あげとく。そうやって一目瞭然でわかるようにしとこか。そうしたらすぐに次の仕事に取りかかれるからっていう風にしてたんやけど、ふと外から施設を見た時に「あー俺戻ってこんくてええわ」「しっかり出来てるし、自分戻る必要ないんちゃうかなー」って思って。

自分がおったら誰かの給料が下がったり、残業代がでーへんかったりするのは良くないなと思って辞めよ思って。

辞めたら色んなところから声はかけてもらったんやけど、今まで良き相談相手やったのにそこに就職しちゃうと雇用関係になってしまって、言いたくないことも言わなあかんこともあるやろし、せっかく今まで良い関係やったのに心の距離が離れてしまうのは嫌やなと。

せやから西宮市じゃなくて大阪とか神戸とかも考えたんやけど、よく考えたら俺朝一に電車乗るとお腹痛くなんねんな。あかんわこれって思って。

西宮市やと同業者は知り合いばっかしやし、大阪とか神戸とかはお腹痛くなるん嫌やし。

行くとこなくて仕方なく起業しただけやな。そんな気全然なかったんやけど。

 

起業する時は怖くなかったんですか?

怖いとかはなかったけど会社作るにあたって登記とか定款とか書類がめちゃくちゃ多くてかなわんかったなー。

最初は本見たりとか調べながらやってたけど、わからんことの羅列やし、やってる最中に「あかん俺はこれをやり切ったらバーンアウトする」って思って

あれは自分には無理やと思って専門家に頼んじゃったけど、起業するにあたって怖かったんはそれくらいかな?もちろんお金借りたりもしたけどな。

と笑いながら語る幸地さん。

起業すると聞くと一念発起してリスクを背負ってやるというイメージがあったのだが、幸地さんの「仕方なくやね」「お腹痛くなるし」という言葉を聞いてイメージを覆された気分になった。

こんな起業もあるんだと。

 

 

突然はじまる勉強会

管理者の方が出勤してこられるとすぐさまはじまった勉強会。

あまりにも突然はじまったので、今日は勉強会の予定だったのかと確認すると

スキあらば勉強会してるで。ただ相手の都合もあるからな、準備出来たら来てなっていうのは必ず言うようにしてるけどな。

 

最後に幸地さんは管理者の方に対して宿題を出していた。

今の自分の仕事を全て書き出すこと。
鍵を開けるとか電気をつけるとか細かいことも全部な。

自分のやっている仕事の量、内容に自分がしっかり向き合うこと。

それを3~4つくらいのカテゴリーに分けたいけど、まずは整理していくためには全て書き出していかなあかん。

しっかり自分と向き合って自分を深堀りしてくださいね。

 

そう言って勉強会を締めくくった。

 

管理者との勉強会は頻繁にされているようですが、何のためにされているんですか?

管理者にはリーダーシップを学んでいってもらわなあかん。

今まで何となく上手くいったからこれからも上手くいくとは限らへんねん。

リーダーは仕事をやらせることが仕事じゃないねん。仕事がうまくいかへん職員がおった時に何で出来へんねんって怒るんじゃなくて、何で出来へんかったんやろな?どうしたら出来るようになるんやろな?って一緒に考えてあげなあかんのちゃうやろうか。

グローバルウォークはパラレルワーカーとして働いている人もいるので、グローバルウォーク以外の職場で仕事を抱えているかもしれないし、悩みを抱えているかもしれない。

それを「そんなんそっちの職場で解決せーや」って切ってしまったら何の相乗効果も生まれない。

うちに来ている意味っていうのは正職員であるとかパラレルワーカーであるとか、そんなん関係なくてグローバルウォーク来たらどこでどんな悩みを抱えていても、解決出来たら仕事に来たくなくなる職員なんていないやろって。

彼には俺がいない時もでそういう風に職員には接してほしいなって思うねん。

1分1秒でも時間があるんであれば、どんなことでもいいから、とにかく職員と心の距離を縮めることに没頭しろと。

 

 

リーダーとして絶対の安心感を与える

マイク・タイソンがチンピラに襲われたとしても1対1でマイク・タイソンが負けるなんてことはありえへんやろって思うやろ?

そりゃマイク・タイソンが絶対勝つやろって絶対的な安心感があるやんか。

なんかあってもこの人に相談したら何とかなるっていう安心感を俺は従業員に与え続けなあかんねんな。

何かあった時に「どうしよう、どうしたらいいと思う?」っていうような経営者のもとでは働かれへんやろ。

その強さはどこからくるのっていうのは根本の強さやねん。

例えば嘘をつかないとか時間は絶対守るとか。

どんな些細な約束であっても絶対守ることや。

信用と信頼がちゃんとある人ってのが、ここ一番って時に頼れる人やと思うねん。

それと基本と基礎やな。

  • お客さんにはタメ口じゃなくて敬語を使う
  • 人の家に上がる時は靴をちゃんと揃える
  • 人と話す時は目を見て話す

 

そういう当たり前のことの積み重ねやねんな。

そこに礼儀が合わさって相手に伝わっていくねんな。

 

秘技ってのは突然降ってくるもんじゃなくって基本、基礎の積み重ねでしか身に着けていくことは出来ないねんな。

些細なことの積み重ねに礼儀が合わさって相手に安心感を伝えることが出来て、絶対的な安心感のオーラのようなものを纏えるようになってくる。

 

 

ルーティンワークだからこそ出来ること

ルーティンワークの時に常に2つのことを同時にこなすことを意識してて、俺はルーティンワークってすごい大事にしてるねんな。

その意味ってのは、何か突発的な想定外なことが起きた時でも冷静な判断と現場執行が出来ないとあかんから、常にそういう状況を自分で作り出してる。

例えば、利用者をリフトに載せてハッチを閉めて車に載せるなんてことは誰がやったって同じ動作になってくるねんけど、何かあった際にそこでリフトに利用者の手を挟んでしまうとか事故が起きてしまったらあかんやろ。

どんな状況であっても利用者の安全を確保できるように毎日2つのことを同時にする練習してるねんな。

 

 

通常ルーティンワークは嫌だなと思うのが常であると思うが、ルーティンワークこそが大切で、ルーティンワークでいかに挑戦していけるか意識していかないといけないと語る幸地さん。

それが利用者の安全や安心感に繋がるんだと。

 

 

自分の仕事はスタッフと信頼関係を築くこと

経営者としては利用者の幸せはもちろんのことやけど職員の幸せも考えなあかん。

自分のこだわりや理想を追い求める会社よりも一人でも多くの人の役に立つ会社であった方が大事やなって。

それに近づくためには今日まで歩んできた道のりの先にあるんやろう。

だから昨日と同じ歩き方だけでは駄目で違う歩き方もしていかなあかん。

でも俺が職員を幸せにしてあげられるかという、それは違うねんな。

人によって幸せの形は違うから。

でもグローバルウォークに来てることで安心出来るなとか相談出来るなって。

その人が幸せになる環境は整えられるかなって。

だから職員には事前に「何か困ってることないか?」とかしょっちゅう聞くと思うけどちゃんと答えてなって言うてあるねんな。

そういう言葉がけの積み重ねが職員との心の距離を近づけるし、結果的に職員も幸せになるんちゃうかなって思う。

 

 

編集後記

今回スケッターというサービスを利用し、幸地さんに密着取材をさせて頂きました。

こういう形での取材ははじめてのことだったので至らない点が多々あったなと思います。

幸地さんは一見ぶっきらぼう(気を悪くしたらごめんなさい)に見えますが、仕事に対しては確固たる信念を持っているんだなということが伝わった1日でした。

働く職員に対しても利用者に対しても安心感を与えられるように日々努力をされていました。

すごく真摯に向き合っていますし、リーダーとして経営者として何が必要かを考え、日々それをアウトプットもされて尊敬の念を抱きました。

 

また幸せは誰かに定義されるものじゃなく、結局幸せは自分で掴むしかない。

それを押し付けてしまうのはきっと何か違うんだろうと。

でも幸せになるために、ぼくに出来ることは何かあるかな?手伝えることあるかな?

そうやって幸せになるための土壌というか環境を整えていくことは出来るんだろうなと感じた日でした。

 

幸地さん、グローバルウォークの皆さんありがとうございました!

 

グローバルウォークHP
http://www.global-walk.jp/

グローバルウォークnote
https://note.com/globalwalk00

グローバルウォークnote 筆者が隠し撮りされた記事(笑)

 

この記事の取材は2020年3月9日に行われたものです
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