前回に引き続き住宅問題について迫っていきます。

今回は前回の記事でも少しだけ触れましたが、身寄りのない方の「保証人・緊急連絡先問題」です。
普段私達は部屋を借りる時に保証人をたてることが当たり前過ぎて、考えもしないことかもしれませんが、世の中には保証人を立てることが難しい方も珍しくはありません。
それは保証人になってもらえるサービスを展開している保証会社が増えてきていることからも明らかです。
最近はよく保証会社のCMも見かけます。
では保証会社を利用すればいいのでは?
そのとおりですが、保証会社を使うことも最近は厳しくなりつつあります。
保証会社も賃貸を借りている人が家賃を支払えなくなった場合には保証人として債務を背負わなければいけない立場になりますので、利用するにあたっては一定の審査があります。
審査の基準等は極秘事項でしょうから我々にはわかりかねますが、筆者が現場で対応するにあたっての最近の傾向はつかんでいます。
総じて住宅確保が難しい人に対しては審査が厳しくなっていると言えます。
身分証明書類として障害者手帳は使いづらい
保証会社の利用にあたっては当たり前ですが、身分証明書類の提出が求められます。
一般的には免許証のコピーで十分ですね。
しかし、場合によっては免許証がなく、身分を証明するための書類が障害者手帳しかないという場合がありました。
障害者手帳のコピーを提出するとどうなるか?
審査に落ちる可能性はググッと高くなります。
審査の基準はわかりませんが、保証会社も障害者の保証をするのは出来ることなら避けたいというのが透けて見えます。
解決策としては
今はマイナンバーカードがありますので、それで身分証明はクリアできます。
写真入りのマイナンバーカードの発行には時間がかかることもありますので、早めに作っておくことをおすすめします。
緊急連絡先になってくれる人がいない
保証会社ではもしもの時のための緊急連絡先の記載を求められます。
身寄りがいなくて保証会社にお願いしている人からすれば
「そんな人いないよ!」
って言いたいところです。
しかし実際問題、緊急連絡先になってくれる人がいなければ保証会社を利用することは出来ません。
解決策としては
- 支援者・福祉施設に緊急連絡先になってもらう
- 緊急連絡先代行サービスを使う
の2つです。
①は現在何かしらの福祉サービス等受けられているのであれば、相談することで解決できる可能性がかなりあります。
しかし支援者側からすると、これもかなり厳しくなってきており、施設の住所や電話番号では認められないこともあります。
その場合支援者個人(施設の場合は施設長など)の住所や電話番号を記載するしかなく、支援者としてもリスキーであると言えます。
②は緊急連絡先を代行してくれるサービスが存在します。
しかし、これもいくつかの制約があったり、保証会社にもお金がかかるのに緊急連絡先をお願いするのにさらにお金がかかるということになりますので、低所得者や生活保護の場合はかなり苦しい選択と言えます。
まとめ
賃貸を借りるにあたって保証会社を利用する場合は事前に
- マイナンバーカード(写真入り)の準備
- 緊急連絡先の確保
をすることが重要です。
当事者の方もそうですが、支援者も甘く見ずに入念な準備をしてください。
これらの問題をクリアして、ようやく賃貸を借りることができるのですが、借りた後にも様々な問題が発生します。
借りた後の問題については次回で取り上げていきます。
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