平成30年度介護保険法改正について、特に共生型サービスについてお伝えします。
タイトルにもあるように、今回の介護保険法改正は障害福祉サービスの相談支援専門員も要確認の内容になっています。
介護保険法の主要なポイントについては「社会福祉士のナゼ!?ナニ!?報道局」でまとめられていますので、そちらを御覧ください。
今回の改正に見る国からのメッセージ
今回の改正のキーワードは「我が事、丸ごと」らしいですが、筆者は少々ひねくれているのでこんな感じで受け取りました。
- お金持っている人はたくさん利用料の負担たくさんしてね。
- それが嫌なら介護保険外サービス使ってね。
- 高齢になった障害者はそのまま障害福祉サービスで面倒みてね。
まず一定以上の年収のある高齢者の介護保険サービスの負担が2割から3割に増えました。
これは筆者として介護保険外サービスもどんどん使っていってほしいという狙いがあるのではないかと感じました。
混合介護も解禁されましたから、介護保険外サービスも今後どんどん発展していくのではないかと思います。
それはそれで良いことなのですが、負担が今後も増えていく、介護保険外サービスを利用する余裕もない高齢者が、必要な介護サービスを受けられないという事態にならないか懸念してしまいます。
日本の高齢化率は今後も上昇していくことは確実ですので、どこかの負担を上げないと制度として存続していかないことはわかりますが、慎重な制度運営をお願いしたいところです。
共生型サービスとは
今回最も筆者が注目したのは「共生型サービス」の創設です。
これは障害福祉サービスとの一体化を図るとのことですが、
具体的には
介護保険サービスを提供している施設・事業所でも障害福祉サービスを提供できる。
障害福祉サービスを提供している施設・事業所でも介護保険サービスを提供できる。
ようになります。
これは障害のある方が、高齢になった場合に介護保険が優先だからといって慣れている施設を離れて老人ホームに入らなくてもいいようにということで誕生したサービスです。
しかし、筆者は懸念もしています。
これは障害者は高齢になっても障害者施設で見てもらってねということか?と感じてしまいます。
これは一体化と言いながら、実は障害のない高齢者と障害のある高齢者の分断ではないかと。
ケース・バイ・ケースではありますが、確かに慣れている障害者施設で生活した方が良いだろうというケースがあることは確かです。
しかし、これを理由に障害のある高齢者の受け入れを高齢者施設が拒否しないか?
今までも特に精神障害のある方については高齢者施設の入所が難しい現状がありましたが、今後はさらに難しくなっていくのではと感じます。
これでは一体化とは夢のまた夢ではないか・・・筆者は思います。
手続きが煩雑になるのでは
今後は
障害者施設、高齢者施設どちらにも相談支援専門員、ケアマネージャーが入り乱れることになるのではないか・・・。
現場が混乱するのではないかと少し懸念します。
介護保険の改正ではありますが、相談支援専門員も今後の動向を注意深く見守る必要があります。
まとめ
筆者はひねくれているので、少々尖った見方をしていますが、良い方向にいくことを願っています。
しかしながら負担増の流れは今後もおそらく加速していくことでしょう。
若い世代を他人事ではなく、気にしておく必要があると思います。
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