また悲しい事件が起きてしまいました。

事件にあわれた方には本当にお悔やみ申し上げます。
その背景には何があったのか
まず最初に加害者である犯人を養護するわけではないことをまず申し上げておきます。
そのうえで我々ソーシャルワーカーは被害者の立場に立つだけではなく、加害者の立場にも立って物事を考える必要があります。
犯人は何故こういう行動に出たのか。
その背景には何があったのか。
拡大自殺
今回の事件は拡大自殺の結果とされています。
拡大自殺は自殺の際に他者を巻き込むものですが、特徴として社会に対して復讐感情が強いということがあげられるそうです。
遺書などは残されていなかったようですが、犯人は社会を憎んでいたのではないかと思うのです。
引きこもり
川崎市は犯人の親族から引きこもり傾向であると相談を受けていたことを発表しています。
いつ頃から引きこもりであったのかは不明ではありますが、犯人の年齢は50代ですので、長期の引きこもりでその間何らかの支援を受けていなかったのであれば精神状態が悪くなったとしてもおかしくありません。
近所の人ともトラブルを起こす様子があったとも報道されていますので、精神病であったことは、ほぼ間違いないのではないかと思います。
8050問題
今回犯人は80代の伯父と伯母と同居しており、両親は亡くなっているのでは?という報道もありましたが、どちらにせよ典型的な8050問題に近い状態です。
いわゆる8050問題の中高年引きこもりは統計で60万人以上いるとされています。
あくまで統計上なので実態はもっと多いと筆者は考えています。
8050問題の家庭は様々な問題を抱えています。
そこに支援を入れていかなければ、今回のような悲しい事件を防止するのは難しくなります。
同情するわけではないが
犯人はおそらく孤立し、支援の手を差し伸べられることもなく、社会を憎んでいたとだと思います。
50歳になっても働かず引きこもっているなんて・・・ではなく
50歳になっても働くことが叶わず引きこもっていたにも関わらず何の支援もなかった
と捉えるべきです。
それが日本の現状なのです。
まとめ
こういう事件が起きる度に、日本の福祉はなんて進んでいないんだと感じずにはいられません。
国がしっかり人権を保証し、支援を入れる体制が出来ているのであれば、こういう事件も減ると思うのですが。
福祉とは、人々の幸せのことです。
不幸は連鎖します。
日本に住む人々みんなが幸せを感じられる社会であってほしいと思います。
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