オンラインサロンは家族とも友人とも会社とも違う新たなコミュニティの形です。
さらにオンラインサロンというコミュニティは今までとは少し違った組織形態を取ることがあります。
いくつかのオンラインサロンに参加していたり、自らもオンラインサロンを主催をさせて頂いている経験から、このあたりを考察していきます。
オンラインサロンって何?って方はこちらを参照してください。

Contents
オンラインサロンにはいくつかのタイプがある。
まずはオンラインサロンの組織についてを語る前提としてオンラインサロンのタイプについてお伝えします。
この分類は筆者の考える分類であり、何を基準にするかによって変わってくるかもしれません。
また、明確に分けられるわけではなくいくつかのタイプを併せ持ったサロンもあることをご理解ください。
インフルエンサー型
オンラインサロンとしては大規模で最も盛り上がっているのがインフルエンサー型です。
そもそも主催者がインフルエンサーとして影響力が大きいことからオンラインサロンをはじめるにあたって一番最初の壁である人を集めることを達成しやすいでしょう。
もちろんインフルエンサーの方々が普段から発信、ブランディングを続けてきた結果ではありますが。
例としては
はあちゅうサロン
箕輪編集室
など
講師型
一定のスキルを伝授することを目的としたサロンです。
比較的小規模なサロンや期間限定のサロンが数多く誕生しています。
ライティングやブログ、物販のやり方などオンライン上で完結するものが多い印象です。
プロジェクト型
オンラインサロンではあるけどもオンラインに留まることなく、オフラインのプロジェクトを行っているタイプです。
インフルエンサー型のサロンも現在はほとんどがいくつかのプロジェクトを進行させているためタイプとしては重複します。
習慣化型
何かを習慣化するにあたってひとりだと三日坊主になりがちです。
複数の人と声をかけあったり、毎日報告することで習慣化を促すサロンです。
朝活や読書を習慣化するためのサロンなどがあります。
オンラインサロンの組織
オンラインサロンで出会った人たちとの関係をひとことで言い表すのは難しい。
会社の上司や部下ではありませんが、当然家族でもありません。
一番近いのは友人かもしれませんが、友人かと聞かれると違うかもしれません。
オンラインサロンのタイプによっても若干の違いはあります。
例えば講師型であれば、先生と生徒という関係性が比較的しっかり位置づけられているところもありますが、しかしこれも学校のようにハッキリと先生と生徒というわけでもないような気がします。
プロジェクト型においても、プロジェクトごとにリーダー的役割の人はいますが、雇用関係があるわけではなく、上司と部下でもないのでリーダーが他のメンバーに命令をするわけではありません。
じゃあ一体どういう関係なんだ?
とオンラインサロンを知らない、入ったことがない人からすると不思議で仕方ないだろうと思います。
ティール組織
最近話題となっているティール組織というものがあります。
いくつかある組織形態のひとつで最新のものになります。
しかし、このティール組織を完全に実践している企業は現状存在しているか不透明のようです。
筆者はオンラインサロンの組織とはティール組織に非常に近い特性を持っているのではと考えます。
筆者はマネジメントやコンサルタントをしているわけではないので、そこまでこのティール組織に詳しいわけではありません。
詳細は避けようと思いますが、かんたんに紹介します。
詳しく知りたい方はこちらの本を読んでみてください。
役職や肩書が存在しない
まったくないというわけではないようですが、基本的には存在しません。
つまりティール組織には上司と部下という関係性が存在しないのです。
気づいた人が進める
役職が存在しませんので、その組織にとって良いと思われることを気づいた人が仕事を進めます。
また、仕事を進めるうえでは人材やお金が必要になってくるので、話し合い、理解を求め、賛同してもらえることで人材やお金を確保します。
また上司がいないので命令はされませんから、周りの人間から助言・アドバイスを受けながら仕事を進めます。
存在目的を重視する
ティール組織では、その組織がどういう目的で存在しているのかということを重視します。
組織の中の人間は組織の存在目的に対して貢献できているか?というのを基準に行動をします。
オンラインサロンにティール組織を当てはめてみる
オンラインサロンでは誰かが命令をすることは基本的にはありません。
雇用関係があるわけでもなく、メンバーはお金を支払ってオンラインサロンに入っているので命令されるいわれもありません。
つまりオンラインサロンでは気づいた人がオンラインサロンのためになることを率先して行動するのです。
役職はオンラインサロンによっては配置していることはありますが、それも組織運営をうまく回すためであって、上司の役割とは若干違います。
またオンラインサロンの主催者も大きいところは、自らが積極的に発言することを意識的にしないようにしているところがほとんどです。
メンバーそれぞれが考え、気づき、行動することが必要だからです。
オンラインサロンという組織の問題点
オンラインサロンという組織にはいくつかの課題もあります。
これは筆者が見てきたこと、経験したことを元に書いていますが、すべてのオンラインサロンに当てはまるわけではないことをご容赦ください。
行動しない人は恩恵を受けづらい
学校や塾のように受け身で授業を受けるだけでもある程度の恩恵を受けられるということはオンラインサロンではあまりありません。
もちろん学校や塾でも積極的に質問するなどした方が有意義ではありますが。
オンラインサロンも講師型は受け身でも一定の恩恵はあると思います。
しかし、オンラインサロンは自ら行動することで得られる恩恵が大きく、誰もが平等に恩恵を受けられるわけではありません。
責任がない
会社であれば業務やプロジェクトを遂行するうえで担当者や上司、リーダーなどが責任を負う必要があります。
オンラインサロンでは、この責任がありません。
もちろん一度任されたことや自分からしますと手を上げたことに関しては責任感を持って遂行してもらいたいものですが、
プロジェクトの途中で突然オンラインサロンを退会。
誰にも引き継ぎもされておらず、どういう状況かもわからない。
といったことも起こります。
会社では雇用関係が存在し、一定の責任を負わせる仕組みがありますが、オンラインサロンは基本的に自由に入ったり辞めたりできるので、人と人の信頼関係がより重要といえます。
情報の共有が難しい
会社であれば、労働時間を拘束していますので情報共有も比較的容易です。
しかし、オンラインサロンはそれぞれが仕事や家庭を抱えながら活動していますので動ける時間が限られています。
そして基本的にオンライン上でのやりとりになりますので、スレッドに書いていたけど相手が読んでいなかったということも起こりえます。
便利なツールは増えてはいるものの、それを使いこなし、いかに情報共有できる仕組みを作るかは課題といえます。
まとめ
オンラインサロンはまだまだ黎明期で、それぞれの主催者が試行錯誤しながら作り上げています。
またメンバーを縛るものもないためメンバーそれぞれの良心に任せている部分が大きく、問題が起きやすい現状があります。
オンラインサロンという場を作っていくことは並大抵のことではありませんが、少しでもご参考になれば幸いです。
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