「家の外は怖いから出たくないの」
「母が作った食事は毒が盛られているかもしれないから子どもに毒味をさせるの」
「乗り物は危ないから移動手段は徒歩だけ」
こういった人たちをあなたはどう思いますか?
異常だと思いますか?
精神が病んでいると思いますか?
確かにこういった人たちはなかなか社会生活を送るのが難しい状況かもしれません。
しかし程度の差はあれど、このように危険を避けようと行動する方が多いなと私は思うのです。
「危険は避けるのは当たり前じゃないの?」
そう思うかもしれませんが、では上記の人たちは当たり前ではないのか?
少しリスクについて一緒に考えてみませんか?
Contents
リスクは常にある
この世に生を受けた瞬間から我々はあらゆるリスクにさらされています。
私自身も生まれた瞬間は息をしていなかったらしいです。
出産は母子ともにリスクがありますし、生まれてからも病気や怪我など様々なリスクがありますし、親はリスクを回避するためにアレコレを対策を取らざるを得なくなります。
大人になってもお金、仕事、人間関係……などなどリスクは言い出せばキリがありません。
動物はさらに厳しいリスクにさらされています。
生まれてもすぐに食べられるかもしれません。
弱肉強食の世界です。
我々人間は食べられるかもしれないというリスクこそないものの、リスクがゼロで完全に安全な場所・状態というのはあり得ません。
リスクを許容する投資家的思考
リスクは避けるものではなく
どこまで許容できるかである
投資家的思考でこういう考え方があります。
そもそもリスクを避けたい人は投資に手出しをしたりしないのではないかと思いますが、投資においてはどこまで自分がリスクを許容できるかが重要なのです。
この考え方は実生活でも大事なものです。
ここではわかりやすいように二人の人物に登場してもらおうと思います。
勢いで何でもしてしまい、あまり物事を深く考えないAさん
物事には基本的に慎重で、よく分析をしてから行動するBさん
この二人はどちらも株式投資をしているようです。
その様子を見ていってみましょう。
貯金全額を1点集中投資!(Aさんの場合)
「最近株価めっちゃ上がってるから儲かるらしいよ」
そんな友人の話を聞いたAさんは早速株式投資をはじめてみました。
「何かよくわかんないけど、いつもよく服を買うC社見てみるか」
「……お! 俺の貯金でも買えるじゃーん! 買っちゃえ!」
Aさんは貯金のほぼ全てをC社につぎ込んでしまいました。
数日後
「うわ! めっちゃ下がってんじゃん! もう半値くらい……」
「でも、もう少し粘れば上がるよね!」
さらに数日後
「……終わった」
最終的には買った時の3分の1まで値段が下がってしまい、渋々売るはめに…。
貯金が3分の1になってしまったということですから大変なことですね。
余剰金で冷静に分散投資(Bさんの場合)
「今日も日経平均株価は上昇しています」
そんなニュースを観たBさんは、株式投資に興味を持ち、勉強をはじめました。
「なるほど最初は最悪ゼロになっても痛くない程度のお金ではじめるのがいいのか」
株式投資の本には最初から全貯金を投入するのではなく、例えゼロになってしまっても痛くない程度のお金ではじめるのが良いと書いてあった。
「じゃあ10万円ではじめよう」
「それに投資先が1つじゃ怖いし、いくつかに分けて投資しよう」
冷静に分析したBさんは1つの会社の株価が下がってしまっても他の会社が上がり、波はあるものの着実に資産を増やしていきました。
どちらが賢明か
AさんとBさんどちらが賢明か…一目瞭然ですよね?
最初に言ったようにこれは実生活でも言えることです。
リスクは避けるのではなく、どこまで許容できるかで考える。
これは実は無意識に我々が行っていることでもあります。
リスクのあることが当たり前過ぎて認識出来ていないと言ってもいいでしょう。
最初に登場した家から出られない人たちや乗り物に乗れない人はある意味、そのリスクを認識しており、敏感になっていると言えます。
リスクを認識し、冷静に分析する
しかし、彼らがリスクを認識はしているが冷静に分析出来ているか? というとそうではありません。
考えればすぐにわかることですが、家から出ないと買い物にも行けない。乗り物に乗れないと仕事も出来ないかもしれません。
目先のリスクに捕らわれてしまい、その先のリスクが見通せていない状態です。
あなたは本当にリスクを分析できているか?
「リスクは認識したし、私はちゃんと先のことまで見通しているわ」
本当にそうでしょうか?
2019年に金融庁は老後生活していくためには2000万円の貯金が必要であると発表しました。
これは大変なバッシングを受けましたが、個人的には勇気ある発言で、金融庁はよく言った! と思っています。
怒っている人たちからすると「年金で老後は生活出来る約束じゃないのか?」ということだと想いますが、これはすでに年金制度が破綻していると言えるのではないか。
生活保護制度もあるので、年金が駄目でも国に頼って生活していくことは可能ではありますが、年金だけに頼って老後生活しようと考えるのは最早危険な領域に達しているのではないかと思います。
リスクを見通すということは老後のことまで考え、いくら貯金しておくべきか、そのために今どうするべきかまで考えることです。
老後にいくら必要か? 計算していますか?
老後にいくら貯金が必要か?
計算している人はあまりいないのではないでしょうか?
これは切に…一度計算してみてほしいと思います。
金融庁の2000万円必要っていうのは甘々です。
そもそも生活費にいくらかけるかなんて人それぞれです。
自分の場合はどうなのか計算してみるべきです。
筆者の場合は5000万円と試算しています。
夫婦合わせて1億円ですね。
そして1億円貯金の道筋もある程度立てています。
人生にいくらお金がかかるかわかるとリスクを負いやすい
老後のお金まで考える。
つまり自分の人生にはいくらお金が必要なのかを考えることで、リスクを負いやすくなります。
安定した職業としてよく公務員があげられますが、本当にそうでしょうか?
人生でいくら必要かわかったのであれば、多少のリスクを負ってでも転職や起業も考えられるかもしれません。
また今の職業が年収的に人生で必要なお金を十分に賄えるのであれば、自分の自己実現に向けての活動をしてもいいでしょう。
そうすることで何となく今の会社でずっと働くのではなく、本当は自分はどうしたいのか?
自分の人生における選択肢が明確化してきます。
まとめ
- リスクは避けようとするのではなく、どこまでリスクを許容できるかで考える
- リスクをしっかり認識する
- 老後にいくら必要か計算してみる
- 老後(人生)にいくらお金が必要かわかれば行動も変化する
- 本当は自分がどうしたいのかも見えてくる
意外と老後のことまで考えている人は少なく、リスクを先延ばしにしてしまっている方も多くいます。
老後にいくら必要だろうか? と考えるのにそこまでたくさんの時間はかかりませんので一度考えてみてください。
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