ストレスチェックは一定数の従業者がいる事業者において実施が義務付けられております。
しかし、ストレスチェックは誰でもできるわけではなく、
- 医師
- 保健師
- 検査を行うために必要な知識についての研修であって厚生労働大臣が定めるものを修了した看護師又は精神保健福祉士
です。
この記事では③の厚生労働大臣が定める研修について、お伝えします。
精神保健福祉士としては成年後見業務とストレスチェックが唯一の業務独占的な業務(厳密のは独占ではありませんが)なので注目したいところです。
筆者も精神保健福祉士なので、先日研修を受けて、ストレスチェック実施者の資格を取得しました。
そのあたりもお伝えしていきますね。
Contents
ストレスチェック実施者研修はどこで受けれるの?
ストレスチェック実施者の研修を実施しているのは
- ウェルネット
- 中央労働災害防止協会(中災防)
- 日本精神保健福祉士会
主にはこの3つです。
他にもNPO法人や地域の産業保健総合支援センターでも実施されていますが、不定期ですし、情報が少ない状態です。
おすすめはウェルネット
筆者もウェルネットでストレスチェック実施者の研修を受けました。
だからおすすめというわけではなく、おすすめする理由があります。
定期的に開催されており、情報が早く、わかりやすい。
これはすごく大事です。日本精神保健福祉士会とかは情報が遅いですし、開催地も東京では毎年やってそうですが、他の地域ではしたり、しなかったり…。
開催日数も少ない。
ウェルネットでは
- 北海道
- 愛知県
- 福岡県
- 東京都
- 大阪府
で開催されており、日数も多いため、それぞれの事情に合わせやすいです。
ネット申込み、クレジット支払いが可能
全てネットで完結できるのは嬉しいですよね♪
ウェルネット以外だと申込用紙をわざわざダウンロードして印刷して書いてファックスしないといけなかったり、支払いが振り込みしか対応していなかったりします。
もうこの時点でめんどくさい…。
テキストがキレイ
ウェルネットのテキストはキレイ!そして何だかオシャレ。

研修の内容は何を受講者に伝えなければいけないのか決まっているため大きな差はありません。
講師によるわかりやすい、わかりにくいはあるかも知れませんが、ウェルネットの講師は実際にストレスチェックをしている保健師さんで、実際はどうなのかといった現場の話も取り入れながら話してくれたので、非常にわかりやすかったです。
ただウェルネットも毎回同じ講師ではないでしょうし、そのへんは当たり外れあるかもしれませんが、こちらから選べるわけでもないので、仕方ありませんね。
3団体を比較
ウェルネット |
中央労働災害防止協会(中災防) |
日本精神保健福祉士会 | |
開催日 | 各会場で定期的に開催 | 年約6回開催 | 年約1~3回開催 |
開催地 | 北海道
愛知県 福岡県 東京都 大阪府 |
東京都
大阪府 宮城県 広島県 |
東京都
その他地域は年度による。 |
申込方法 | ネット申し込み | 申込書類をFAXか郵送 | 申込書類をFAXか郵送 |
支払い方法 | クレジット決済
銀行振り込み |
銀行振り込み | 銀行振り込み |
料金 | 平成30年8月31日まで
14580円 平成30年9月1日以降 16200円 |
賛助会員・THP登録者
13500円 (科目免除者:10130円) 一般 15000円 (科目免除者:11250円) |
構成員
8000円 (科目免除者:6400円) 非構成員 15000円 (科目免除者:12000円) |
比較してみると、料金においてはウェルネット以外の団体では会員であったりする場合はお得に受講することができそうです。
また開催地もそれぞれなので自分の都合に合わせて選択してくださいね。
ストレスチェック実施者研修を受けても実務は無理
ここまで、研修を受けるならどこがおすすめかという話をしてきましたが、研修の中身についてもかんたんにお伝えしていきます。
結論から言うと、この研修を受けただけではストレスチェック実施者として仕事をすることは難しい…いや無理です!
ウェルネットでは
実務のためのフローチャートやストレスチェック関連の各種ひな形を無料ダウンロード出来るのでまだ良いですが、それでも実務は難しい。
法令関係について
まず、ストレスチェックを規定している法律やそれに関連する法律(労働関係、タバコ関係)についてのお話があります。
このへんはそりゃ抑えとかなきゃいけないよねといった内容。
具体的な制度の中身について
職場内のメンタルヘルスケアをしていくにあたってのストレスチェック実施者の位置付けや、守らなければいけないこと。
例えば、個人情報の守秘義務とか。
今回の研修を受けて驚きだったのは、ストレスチェックの結果はストレスチェック実施者のみしか知ってはいけないということ。
企業側に教えてくれと言われても教えてはいけないということです。
しかしここでも実際にストレスチェックをどう進めていくのかといった話はなし。
統計などの情報
自殺者の推移や労災の請求件数の推移などを学びます。
自殺者数はここ数年は減少傾向にあること。
そして個人的に筆者が驚きとともに「それもそうか・・・」と妙に腹落ちしたのが、精神障害による労災請求件数。
1位:社会福祉・介護
2位:医療
でした。何だかケアする側の方が多いなんで悲しい事実ですね。
ツール等の紹介
いくつかのツールの紹介がありました。
- 米国労働安全衛生研究所(NIOSH)の職業性ストレスモデル
- 変化のステージ・モデル
- グループダイナミクス
- 「職場環境改善のためのヒント集」(メンタルヘルスアクションチェックリスト)
- メンタルヘルス改善意識調査票(MIRROR)
- 従業員参加型ワークショップ
詳細は検索するかストレスチェック実施者の研修を受けてくださいね。
最後に修了テストがありますが、心配ご無用
最後に一応修了テストなるものがあり、全10問出題されます。
ちゃんと講習を受けていれば楽勝です。
引っ掛けの文章が面白いくらいですw
筆者が受けた講習でも落ちた人はいませんでした。
なので過剰に心配する必要はありません。
もっと実務も教えてもらえると思った
正直な感想です。
参加者からもこういう声は上がっていました。
限られた時間では難しいのかも知れませんが、厚生労働省にはもう少し研修のあり方を考えてもらいたいものです。
筆者の受けた研修でも講師の先生が実際にストレスチェック実施者として仕事をしようと思っているのであれば実務を学ぶ研修も受けて自己研鑽するようにと話がありました。
まとめ
- おすすめはウェルネット!
- でも個人の事情に合わせて選択してくださいね
- 研修を受けても実務は出来るようにならない
- 実務を学ぶための研修を受ける必要もある
おまけ

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