障害者就労継続支援B型事業所「三休」の取材に行ってきました。

代表の西田さんと施設長の世古口さんです。
西田さん:こんにちは
世古口さん:お願いします!
入り口にはこんなものが!

事業所内もすごくオシャレでした!

西田さん:
オールDIYですよー。
三休の名前の由来

って感じで決まりました(笑)
今も人口が増えているのはすごい!
B型事業所をはじめたきっかけ
「就職先が限られていたり、自分は先死ぬし、この子が安心して暮らせるようにしときたいんやけどなー。」っておっしゃっていたんですよ。
ぼくらTシャツをいっぱい作っているし、それ作ってもらいましょうよというのが最初のきっかけでした。
福祉の事業は信頼の事業
福祉の事業は信頼の事業です。
今は信頼してもらえる事業所になれるように頑張っています。
仕事はいっぱいあるし、工賃も上げていくことはできます。
利用される当事者も、そのご家族も、その事業所に通わせる理由とか信頼があるうえで来てくれるのだと思っています。
今うちに通ってくれているAさんという方がいるんですが、他の事業所に通われている時は眉間にシワが寄っていてしんどそうだったんですよね。
でも三休に通い始めてから表情が和らぐことが多くなったとその事業所の方から聞きました。そういうことの積み重ねが信頼の獲得の一つなのかなと最近身にしみた出来事でした。
地域に認めてもらう
あっちの方が工賃良いらしいからあっちに行こう!みたいな、そんなノリで移っていくような業界ではないでしょうし、
あそこ頑張ってんなー!
ちゃんとやってんなー!
っていうのを地域に見てもらって地域に認められる場所になることが大切です。
それも地域に認めてもらえる場所にしようとはじめた活動の一環ですね。
町づくりって一体何?
何をゴールとするのか?何を持って満足するのか?によっても変わってきますよね。
ぼくは前は開発コンサルタントという仕事をしていて、がっつりまちづくりの仕事を6年くらいやってたけど、政治レベルやったり街レベルやったりハード面で変えていくことはできるけど、それで住民はよかったのか?と今は感じます。
なんか大きいスタジアムが出来て、俺の力で作ったっていうのが良しとするのか?
それもいいとは思うけど、ぼくはちょっと違うと思っていて、それよりかはぼくらはここでとびら開けてやっているので、この場所で地域の人たちとお酒を飲めたらいいなと思っています。
もちろんそこには障害とかハンディキャップを抱えている人がいたり、おじいちゃんおばちゃんがいたり、その輪が広がっていけばいいなと思います。目標は100人とお酒を飲み交わすことですね。
この場所でバーとかも開催するんですが、そこには色んな人が来てくれています。
例えば近くのサロンのおばちゃんがここでなんかやることあったら手伝うで言うてくれたり、近くで入所施設で暮らしている方がギター演奏してきてくれたりとか。そういうのがあると嬉しいですね。
これはもう一番は自分たちが面白いと思うことしかしないという発想です。
ぼくらは利用者のためにしようという気持ちがあんまないんですよ。
彼らがステージに上がってなんか演奏するからといって誰が来るんやって話じゃないですか。
来てくれるんですよ。
それがたまたまB型やったみたいな感じですね。
最低限ふつうのTシャツ

チャリティーだから買ってもらう?
ふつうにこのTシャツいいやん!
それがたまたまチャリティーやったっていう、そういうサービスを提供しないと続かないし、そこはふつうのTシャツは最低限作って当たり前。
野菜も障害者が作ったからといって形の悪い、おいしくない野菜を売るつもりはなくて、普通の野菜を作って、それがたまたまハンディキャップもった人が手入れしてまっせというだけ。
カフェもぼくはやったことないけど、コーヒーの作り方は勉強をするし、彼がどうやったらその作業をできるんやろうかということを勉強するから彼らが輝ける場所ができるんやと思う。
ぼくらが頑張らないと彼らの選択肢、チャンスは増えない。
ある意味ぼくらが力量を試されているとも言えます。
でも、スタッフが勉強、チャレンジしないと利用者の幅も広がらない。
最初は障害ある人が作ってるからって一度は来てくれるかもしれないけど、最初だけで皆スタバ行っちゃうんでね(笑)
働くとは・・・
正直月に200万くれる言うてるのに働くやつはかなり変態やないですか(笑)
でも利用者さんにとってどうかと言われたら、人それぞれやろうし、そこはちゃんとぼくら向き合おうと思っています。
いろんな選択肢を用意するのがぼくらの仕事なので。
- しっかり働きたい!
- 自立したいねん!
- 一人暮らししたいねん!
- 最低賃金くらいはほしいねん!
せやったら働こう!それだけの仕事はぼくらが用意するし。
もし、
- 働きたいとは思ってへんねん。
- ゆっくりしたいだけやねん。
- ちょっと家出たいだけやねん。
それぞれの価値観があるから、ぼくらはそれをしっかり汲み取って実現していく。
それが大切ですね。
でも社会はそんな甘くないんですよね。
いやいや困るから。ぼくも会社運営しているんで、納期もあるし、仕事もふるつもりでスケジュールも組んでるから、そんなことで休まれたら回らないからね。
社会って一般就労って厳しいし、そんな甘くないし、本人がそれを望むならそれだけの覚悟は必要だと考えています。
やっぱしおんなじだけの仕事してもらわなあかんし、それってやっぱし適材適所だと思うんですよ。ハンディキャップがあったって輝けるところはあるんです。
ぼくは一般の人を雇う側の立場でもありながら、ハンデキャップのある人とも一緒に仕事もしているので、その立場で思うこともありますし、性格的にもドライだと思います。
ぼくは自分にとっては使命というか、責任を果たすためと思っていて。
ここに来る人はどういう理由でくるかわからへんけど、自己実現したり、目標を達成してほしいなーと思っています。
時給500円ほしいねんっていう人がいれば、それがその人の目標やと思うし、それをここで叶えるっていうのが自己実現です。
まずはペースを作ろう。まずはここに来る習慣をつけることが自己実現への第一歩かなと思います。
ひとりひとりそれが違うし、人によって時期とかペースが違うし、そこは適時汲み取っていくのがやっぱし福祉の人がやるべきことかなーと思います。
それがぼくにとっての責任というか使命です。
役割の違い
明日どうやってできるようにするか、
そういうノウハウがあると思うんですよ。
いや知らん知らん。
それを引き出して考えていくのが現場のスタッフの役割やと思います。
それを履き違えて、この人こんだけ頑張ってるから一般就労で雇ってあげてください言われても困りますよね。
色んな人との関わりでメンバーのスキルが発揮されていくと思います。
例えば、おそらく今まで叱られたり、怒られてきた経験が少なかった方に、注意したら改善はしていくけど、皆が注意ばっかだとよくないですよね。
色んな人のかかわり合いが必要だなと感じてるところです。
選択できる社会
西田さん:
先月、新聞の取材でも言ったことなんですが、選べる社会がいいんじゃないかな。
部屋に閉じ込めてこれだけやっときっていう場にはしたくない。
もっと可能性あるやろうし。
これもこれもこれもあるよ。
何やる?
場所も選べる
仕事も選べる
過ごし方も選べる
利用も1日から選べる
通う事業所もここでもいいし、違う事業所でもいい
選べるというのが大切。
それが1つしかなかったら選びようがないし、嫌でもそれをするしかないし、そういうのは良くないかな。
農業って本当にしんどいんですけど、それでも一緒に働いてくれているのは、それぞれに理由があると思います。
ぼくと趣味が一緒でその話が楽しかったり、小さいころから顔見知りだったり、結局は人と人との関係で、お互い信頼できる関係をつくっていきたい。
仕事内容もそうやし、来る理由がその人にとってなんなんやろうなーというのを大事にしたいかな。
ほとんど西田に言われてしまったのですが・・・(笑)
ひとりひとり役割を感じられる社会。
あるメンバーに1つの工程を任せたのですが、とても丁寧にかつスピーディーに作業を行っていて「すごいやん!」と素直に伝えました。
そこから彼はその作業を自分の役割と感じ、「今度はもっとうまくする」と目標を設定するようになりました。その役割を軸に、彼の役割を増やしたり、深めたりしていきたいです。
編集後記
とても気さくでフランクにお話をしてくれたお二人でした。
ただ、気さくでありながら言葉には強さというか芯の通ったものをすごく感じました。
個人的には
自分は福祉だからといって妥協していないだろうか?
本当に自分が楽しめる仕事を出来ているだろうか?
と胸にグサッとくるものが多々ありました。
お二人の役割の違いにも面白さを感じました。
経営者としての視点と福祉の現場のスタッフとしての視点は相反することが多いと思いますが、西田さんと世古口さんはその違いがあるからこそ良いのだと話されていたことが印象的でした。
快く取材を受けれてくださり、ありがとうございました!
関連情報
三休HP:https://3-kyu.com/
JAMMIN合同会社 HP:https://jammin.co.jp/
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