コラム

言語の単語のうち、ネガティブな言葉が多いのは本当か?

言語には多くの単語があり、それらのうちネガティブな意味を持つ単語が多いという「7割説」が広く言われています。

ぼく自身、人間は本来ネガティブな生き物であるということを色んなところで話してきたので、この7割説には一定納得していたところがありました。

しかし、この説が本当かどうかは議論の分かれるところです。

以下では、この説がどのように生まれ、また、それが本当かどうかを考えていきます。

言語における単語の種類

言語には、名詞、動詞、形容詞、副詞など、多くの種類の単語があります。それぞれの種類において、ネガティブな単語が多いかどうかは異なります。

例えば、形容詞には、「悲しい」「つらい」といったネガティブな単語が多くありますが、「嬉しい」「幸せ」といったポジティブな単語もあります。

同様に、名詞や動詞においても、ネガティブな意味を持つ単語が多いとは言えません。

また、単語によっては、ポジティブなのかネガティブなのか分けるのが、難しい単語や人の価値観や職業によって判断が分かれるものもあります。

例えば、「治療」という言葉は患者からするとネガティブな言葉になりますが、医者からすると病気を治したり、命を救うことになる行為なので、ポジティブな言葉と捉えられます。

このように一概にポジティブかネガティブかに振り分けることが難しい単語が複数あるものと思われます。

ネガティブな単語とポジティブな単語の比率について

ネガティブな言葉が多いという「7割説」については、実際に異論もあるようです。

例えば、心理学者のジョン・ゴットマン氏が行った調査では、人間の会話においてポジティブな言葉とネガティブな言葉が50対50の割合で出現していることが明らかになっています。

また、人間関係の専門家であるジョン・グレイ氏が提唱する「男は火星から、女は金星から来た」という理論においても、男性と女性が使用する言葉には違いがあるものの、ポジティブな言葉とネガティブな言葉が均等に使用されているという報告があります。

ただし、文化や社会的背景によっては、ネガティブな言葉がより多く使われることもあります。

例えば、戦争や紛争が続いた国々では、敵対的な言葉が多く使用される傾向があります。

また、アジア諸国の言語には、敬語や謙譲語などが多く存在するため、ネガティブな言葉を避ける傾向が見られます。

言語の文化的違いが単語に与える影響

言語は、文化や社会的背景によって大きく影響を受けるとされています。

例えば、日本語には敬語や謙譲語といった言葉遣いがあり、その使い方も文化や社会的地位によって異なります。

これらの言葉遣いが、人々の間での距離感や、尊敬や敬意の表現に大きな役割を果たしているため、日本語においてはネガティブな言葉を避ける傾向があります。

一方、英語においては、自己表現や主張する力が強く求められるため、ネガティブな言葉を使用することもあるとされています。また、英語圏においては、直接的であることが求められるため、ネガティブな言葉を使うこともあります。

言語の歴史が単語に与える影響

言語の歴史も、単語の意味や使われ方に影響を与える要因として挙げられます。

例えば英語には、アングロ・サクソン語とノルマン語の二つのルーツがあるようです。

アングロ・サクソン語は日常生活における単語に多く使われ、感情的な単語も多い傾向にあります。

一方、ノルマン語はフランス語に近く、公式的な単語や法律用語に多く使用され、抽象的な単語や学術用語も多く含まれます。

また、戦争や文化交流によって言語が影響を受けることもあります。

例えば、モンゴル帝国の拡大によって、中央アジアや中国、ロシアに影響を与えたモンゴル語は、軍事用語や騎馬民族特有の単語が多く、厳しい気候や生活環境に対応する単語も含まれています。

言語の地理的要因が単語に与える影響

最後に、言語の地理的要因が単語に与える影響について考えてみましょう。

地域的な気候や生態系、文化的背景などが言語に影響を与えることがあります。

例えば、スウェーデン語には雪に関する単語が多く含まれているのは、スウェーデンが寒冷地帯に位置することによるものです。同じように、アラビア語には、砂漠地帯に生きる人々の文化的背景に基づく単語が多く含まれています。

以上のように、言語の単語には様々な要因が影響を与えています。

7割説は正確とは言い切れませんが、言語には様々なニュアンスが含まれていることは確かです。また、言語が環境や文化と密接に関わっていることも理解する必要があります。

結論:言葉について考える

言霊と言われるように、言葉には強い思いや背景が込められています。

そのため、言葉について考えることは、とても大切です。

言葉は、文化や歴史、地理的要因などによって多様な影響を受けています。

そのため、単語の種類や比率が異なることがあり、またその違いには理由があることがわかりました。

言語は常に進化しており、単語の使い方や意味が変化することがあります。そのため、過去や他の文化において使用されていた単語が現在では使用されなくなっていることもあるかもしれません。

ぼくたちは、言葉を使う上で、単語の種類や適切な使い方に注意することが大切です。

そして、言語の多様性を尊重し、相手の文化や背景を考慮してコミュニケーションを行うことが求められます。

言葉は、私たちの生活に密接に関わっており、その単語選びが私たちの思考や行動に影響を与えることもあるかもしれません。

そのため、言葉について考え、意識的に使い方を選ぶことは、とても重要です。

できるだけ、ポジティブな言葉を意識的に使っていきましょう!

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中島 大樹
メガネのソーシャルワーカー事務所代表の中島です。 福祉をメガネにするための活動をしています。 3人の娘のパパでカフェラテが大好きです☕ Twitterも見てね!
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